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意外と語られないGoogleアナリティクス(GA4)のサポートの話

作成者: CZVision|25/02/04 9:48

マーケティング関連ツールは世に数多く出ていますが、「サポート」はそれらを選択するうえで非常に重要なものです。
同時にこれを疎かにすることで、成果はもとよりマイナスになる例も多くあります。

マーケティングツールといえばほとんど誰もが知っていて、実際の導入も多いのがGoogleアナリティクス。昨今はGA4ということになります。この記事は意外と語られることがない、Googleアナリティクスのサポートについてです。

 

  1. サポートとは大きく二種類
  2. さてGoogleアナリティクス(GA4)のサポートは?
  3. 有料版にはあるのでは
  4. 実は複雑なGoogleアナリティクス関連のサポート
  5. Googleアナリティクスの問題が目立たない理由と対処

サポートとは大きく二種類

サポートは大きく、二つの種類に分けることができます。
それは「不具合などが発生した場合」と「ツールの利用方法」です。

不具合の発生には、バグといったものも含まれます。バグとはプログラム自体の問題です。
利用方法も、大きく二つに分かれます。「ツールの操作方法」と「ツールの活用方法」です。活用とは「そのツールを、どう実際のマーケティンに利用していくか」です。事例を提示したり、コンサルのような役割を担うこともあります。
ツールの使い方や性能については、問い合わせ内容によっては通常の窓口ではなく、テクニカルサポートといったより専門的な部門に回されることもITでは多くあります。そこで不具合、つまりバグの発生がわかるということもありますので、二つのサポートは重なる部分も多くあります。

さてGoogleアナリティクス(GA4)のサポートは?

マーケティングツールの大御所、Googleアナリティクスのサポートですが、単純に言いきってしまえばありません。
こう断言してしまうのはいささか乱暴ですので細かくお伝えをすると、「電話サポートはなし」です。一応「問い合わせフォーム」、つまりメールサポートがある感じにはなっていますが、実際にはヘルプコミュニティが案内されます。
ヘルプコミュニティとはGoogleが場だけを提供する、任意のQ&Aのコミュニティです。ですから回答が必ず返ってくるわけではありませんし、回答の正確さも未知数です。
実際に私もこのコミュニティで質問させていただいことがあり、感動するよい答えをいただいたことがあります。GAやマーケティング分野で名の通った人でもあったので、信頼性も高い回答でした。
しかしこうしたケースは、極めて稀です。特に近年は回答がほぼ来ない、いただけても首をひねるようなものが多い印象です(善意で回答いただいていると思いますが、誠に申し訳ございません)。


Google アナリティクス のヘルプ コミュニティ
https://support.google.com/analytics/community?hl=ja

有料版にはあるのでは

Googleアナリティクスに有料版があるのは、よく知られるところでしょう。
機能は無料版と極端に大きな違いはなく、選択の基準はデータ量だけです。またそれなりの値段がします。
「アナリティクス 360 の Google アナリティクス 4 プロパティ」という名称になっていたり「360」とか「GA4(の)360」とか現場ではいわれますが、ここではわかりやすく有料版と呼びます。

有料であること、さらにそこそこの値段ということで手厚いサポートを期待したいところです。しかし、そうでもありません。
まずサポートはGoogleではなく、これを提供するリセラーです。リセラーとは販売店、代理店です。
GAを扱うリセラーですから知識や情報、ノウハウは優れています。しかし仕事ですから、何でも無制限にサポートしてくれるというわけではありません。基本は「契約で定められたサポートの範囲」、それに取引規模などにより多少のプラスアルファがつくかどうかといったところです。
またリセラー自体がGoogleから特別なノウハウや情報を提供されているということも、あまりありません。そのためリセラー自体の知見やノウハウ、携わった案件などによって対応が違ってきます。
Googleにリセラーがエスカレーションするのは、バグの可能性が高いような時です。ただしこれも「報告する」というレベルと捉えておいた方がよく、仮に致命的なバグだとしたら世に出る前か世界各地から声があがり対応してしまっています。
まとめると「有料版はサポートあり。ただしサポート料金は発生します」ということになります。

実は複雑なGoogleアナリティクス関連のサポート

Googleアナリティクスとしていますが、他ツールとの連携といった側面もあります。GA4はこの面でも、サポートがやや複雑化します。
まずGA4の強みといわれる「Webとアプリの連携」あるいは「アプリ計測もしやすい」ですが、計測の実装はFirebaseです。
FirebaseはGAとは別ものですので、「アプリのデータがおかしいようだ」となると、GAの範囲かFirebaseなのかといった切り分けが必要です。Firebaseは開発側のツールなので多くの場合は扱っているベンダー(開発会社)のサポートになります。これも有料版GAと同じく、サポートには別料金がかかることになります(明確に瑕疵などがあればもちろん別です)。

GA4は管理画面の操作だけでは物足りないレポートとなるので、LookerStudioを使うことも多いと思います。私も内容によってはGAの管理画面ではなく、LookerStudioをほとんど使っていることも多くあります。しかしLookerStudioも無料ツールなので、サポートはありません(厳密には有料版もありますが、あまり使われてません)。

BigQueryと連携できることもGA4の売りですが、これも当然Googleアナリティクスとは別ツールです。BigQueryは料金発生も考慮しておかないといけないツールなので、その観点だとよりサポートが必要ともいえます。そもそもエンジニアリングの範囲なので、いっそう専門性が高いサポートが必要になってきます。SQLをたたくだけなら覚えればいいですが、他のシステムやツールに連携するといった時は、専門家の存在は不可欠ともいえます。

他にもGoogleアナリティクスと関係の深いツールには、GTM(Googleタグマネージャー)もあります。これも基本的には無料ツールです。GA4の基本的なカスタムイベント取得の設定はそれほど難しいものではありませんが、それでもうまくいかない時や細かな設定をしようとするとサポートが欲しくなるツールです。

Googleアナリティクスの問題が目立たない理由と対処

とは言っても、Googleアナリティクスのサポートが大きく問題になることはありません。
理由は、「それなりに使えてしまう」というのがひとつ。これはツールの特長というだけでなく、世に数多くの情報が出回っているからです。
また、「アクセス解析だから」というのもあります。Webの表示や決済に関係する機能、あるいは広告とは違い、データが少々取れていなくても、そこまで大きな問題にはなりにくい面があります。もっとも意志決定や予算といったものは数値により決定されていくので、本来的には問題ではあるのですが。

Googleアナリティクスの罪として、「アクセス解析は無料なのだ」という認識が広がった点があります。ですからサポートやアクセス解析といったものだけには、なかなか予算がさかれない状況があります。
私もアクセス解析だけの仕事というのは、それほど多くはありません。マーケティング全体の中でサポートしたりという方が多いです。もちろん規模が大きければ「分析」「レポートやダッシュボードの作成」「GTMの設定」という限定的な仕事もありますが、事業規模が小さかったりこれから立ち上げという場合は、専任にする余裕はあまりないでしょう。
新規採用や外部人材を入れる時には、マーケティング業務の1タスクとして含めて、その中でGA関連のスキルやどれくらい対応可能かといった基準を企業側が持っておくといいでしょう。

計測設計、設定などお気軽にお問い合わせください。